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980話

「もともと利益関係だからな、無用の事で訪ねてこないのは分かってる」謝民は言った。「何か用かい?」

「実はね、会社で新しい事業ラインを開設したんだが、認可がずっと下りなくてさ。書類なしじゃ、我々も事業を始められないんだ」謝民も忙しそうだったので、私は単刀直入に切り出した。

「小さな事だよ」自分の職責範囲内のことなら、謝民は気前よく言った。どんな事業かも聞かずに笑いながら「こうしよう、局に行って、担当者に私に電話をさせなさい。すぐに下りるから」

「それは助かるよ、よろしく頼むよ」これがいわゆる"コネ"というものか。謝民は詳細を聞かず、私も説明の手間が省ける。

「いやいや、よそよそしいな。俺...