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931話

正確に言えば、それは一種の色彩であり、装飾品であり、人を驚かせる悪趣味なものだった。なぜそんなものを身に付けているのか、どんな気持ちでそうしているのか、私には理解できなかった。男を怖がらせるためか、奇妙な雰囲気を醸し出すためか、あるいは単に格好いいと思って、面白半分でやっているのかもしれない。だが今、一目見た瞬間、確かに異様で、背筋が寒くなるような感覚を覚えた。

大きく口を開け、毒牙を剥き出した眼鏡蛇が、神秘的な暗がりの上に刻まれていた。その暗がりと完璧に融合し、まるでその暗闇が蛇の巣穴で、眼鏡蛇がそこから這い出してきたかのような錯覚を覚えさせる。

さらに奇妙なのは、それを見ると、つい想像...