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888話

「ちょっと出かけようか」

仕方ない。今や家の中は彼女が完全に仕切っていて、私の地位はどんどん下がり、もはや彼女の機嫌を取るために策を練り、アイデアを絞る男性ホストのような存在になりつつある。我慢して、立ち上がって彼女と買い物に付き合うしかない。

男は大抵暇があっても、ショッピングなどしないものだが、女性は何も買わなくても、人混みに紛れて見て回るのが好きなものだ。彼女と歩行者天国を隅々まで歩き回り、服屋は片っ端から入って見て回るのに、結局何も買わない。店員はもちろん、私まで少し居心地が悪くなってきた。その中でも素敵なスカートが二着あって、彼女もとても気に入っていたから買うよう勧めたのだが、彼女...