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870話

「懐かしさ。あの時は本当に感動して、その手紙を抱きしめると、まるで彼の人を、彼の心を抱きしめているような気持ちになって、全てを捨ててでも国を出て彼を探しに行こうと思ったほどよ」梁玉珍は少し笑った。当時の純粋さを笑ったのか、それともあの愛を笑ったのか。彼女は振り向いて、私を見つめながら尋ねた。「あの頃の私、すごくバカだったでしょう?」

私は淡く笑いながら首を振った。こんな女性は、確かに愚かだったのかもしれないが、誰が彼女を責められようか。

「その後の二年間、私たちはずっと手紙でやり取りしていたの。でも、手紙を待ち望むあの情熱や思いは、時間とともに少しずつ磨り減っていくもので、次第に疲れを感じ...