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852話

雰囲気が少し和らいだ。

方法は思いつかなかったが、ドアがカチャリと開き、心の準備ができていなかった私は背中の支えを失って、そのまま更衣室の中へ転げ落ちた。

梁玉珍も予想していなかったのか、私の「侵入」に驚いて飛び上がったが、すぐに四つん這いになった私の姿を見て、思わず笑い出した。彼女は必死に笑いをこらえようとして、唇を強く結んでいたが、それでも口元は弧を描いていた。

恥ずかしい格好ではあったが、梁玉珍を笑顔にできたのはよかった。私も釣られて笑った。しかし笑いかけたその時、梁玉珍は表情から笑みを消し、ハイヒールをコツコツと鳴らして外へ歩き出した。

あの輝く黒いハイヒール、白い足首、なめらかな脚を...