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772話

欲望が心の底から湧き上がり、自分を抑えきれない感覚に襲われる。頭の中では無意識にあの光景、あのシーンが繰り返し浮かんでくる。

幸い、ここには大勢の人がいて、新参者の私にはあまり注目が集まらない。荷物をまとめると、彼らは船頭に電話をかけ、休憩場所へ食事に向かうことになった。

少し疲れたのだろう。一日中ポーズをとり続けたのだから無理もない。あるいはさっきのシーンから抜け出せていないのかもしれない。二人の女性は頬を赤らめたまま、船に座り込んでいる。あちこち走り回ったり、水遊びをしたり、自撮りをしたりする気力もないようだ。

カメラマンたちは互いに話し合い、四駆を運転していた二人は気遣うように女性た...