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759話

夜の狂気、放縦、そして忘我の喘ぎ声、本当に理解できないことばかりだ。だが胸に安らかに横たわる彼女を見ると、そんな疑問も消えていく。彼女の目的など考えたくない、推測したくもない。騙されているとしても、彼女が私の心の中で、永遠に美しい姿のままでいてほしい。

しばらくして、ふと我に返り時計を見ると、もう十時半だった。高玥を起こし「そろそろ帰らないと」と声をかけた。

「怖いの」高玥は弱々しく私を見つめ言った。その姿は寒風の中で傷ついた無力な子犬のようだった。

「大丈夫、送っていくよ」あまりにも哀れな様子に、思わず口走ってしまった。

言ってから少し後悔したが、もう遅い。高玥は体を起こし、うっすらと...