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752話

「赤い油がうわずみ、麻辣の酸味と香りが漂う魚のスープさえも、思わず一口すくって味わってしまった。辛さで息が荒くなりながらも、何度も『美味しい、美味しい』と叫んでしまう。こんな料理には冷えたビールが欠かせない。今夜は何のお酒でも構わなかった。辛さで口の中が火照ると、冷たいビールを水のように飲んで火を消す感じが、ちょうどいい。

辛さのせいなのか、飲みすぎたのか、顔だけでなく露出した腕までも赤らんでいた。

彼女が楽しそうに食べる姿を見て、私も自然と嬉しくなった。この船旅は無駄にならなかった。

二人で一時間以上かけて食事をし、高玥は一人でなんとビールを三本もぐいぐいと飲み干した。思わず舌を巻いてし...