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70話

「喜んだのもつかの間、テーブルの上にある二つのグラスを見た瞬間、『利口が仇となる』とはこういうことかと悟った。あの二つのグラスは特注品で、きっと私のような手抜きをしようとする者を罰するためのものだ。通常のグラスの倍の大きさがあり、当然容量も同じく倍だった。

まるで私が一つ目の選択をすることを予想していたかのように、梁玉珍は何の反応も見せず、すんなりとグラスを手に取った。

「貴妃の敬酒!貴妃の敬酒!」他の女性たちが囃し立て始めた。

私の前に来ると、梁玉珍は膝を曲げて「臣妾が聖皇に敬います!」と言った。この女性には少し怯えていたが、今の従順な姿を見ると、なぜか心に優越感が湧いてきた。まるで手...