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628話

私は頷いた。

「何言ってるんだよ。歓迎会なんだから、酒がないわけないだろう」

唐軍はそう言うとすぐにウェイターを呼び、高級な酒をもう一本注文した。チラッと値段を見ると、千元近くするものだった。少し感慨深くなり、彼の贅沢さを責めるべきか、思い切りの良さを褒めるべきか、それとも彼にとってこの程度の金額など気にもならないのか、分からなかった。

食卓で唐軍は絶え間なく私に酒を勧め、「会社では同僚、仕事を離れれば友達だ」などと美辞麗句を並べ立てた。何か困ったことや必要なことがあれば、遠慮なく言ってほしいとも。私は当然断るわけもなく、会社に来たばかりでわからないことが多いから、色々教えてほしいと返した。...