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626話

「やっぱり行った甲斐があったな」

あの日の午後、帰り道で別の観光ツアー団体とすれ違った。彼らのガイドは現地の民族衣装を身にまとい、先頭に立って民謡を歌っていた。参加者全員が笑顔に溢れ、祝祭的な雰囲気で、とても楽しんだ様子で、まだ余韻に浸っているようだった。一方、私たちの方は生気が感じられず、全員が疲労の色を顔に浮かべ、早く家に帰って休みたいという思いが見て取れた。

ちょっと比べただけで、もう何も言うことはなかった。私の心は少し重くなった。卢生の話を聞いた限り、会社のあの人物はまだ簡単には対処できないようだ。彼は会社の様々なレベルに関わりすぎていて、彼が動揺すれば、観光会社は崩壊し、出勤する...