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604話

「教えないわよ!」

秦雪は動作を止め、私を一瞥して言った。

「言わなきゃ言わないでいいさ」

少し気がめいるが、昨夜のことがあって、彼女との関係は進展した。もう冷たい目つきで見られることもなく、普通に会話もできるようになった。あのミニスカートと雪のように白い脚を見ていると、あの肌の感触を思い出し、喉が熱くなる。

「変なこと考えないでよ。言っておくけど、これはあなたみたいな色狼対策なんだからね!」

秦雪は私の視線に気づき、睨みつけて言った。

「はいはい」

男が女に力で勝てないときの悲しさだ。降参するしかない。

でも口では負けたくなくて、わざとつぶやいた。「昨日の夜は、誰かさんがずっとしがみついてき...