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550話

「心の中のやるせなさを吐き出すと、本当に気が楽になるものだな。天成を思い切り罵ったせいかもしれない。習慣なのか、諦めなのか、会所に着いた頃には、心が意外と落ち着いていた。嵐の後の静けさのように」

私は黙って天成の手を離し、秦伟に付き添って部屋に入った。

最初は全く予想していなかった。入室するなり意外な展開に。ドアが閉まるやいなや、秦伟が飛びついてきて、まるで私が逃げ出すのを恐れるかのように強く抱きしめてきた。体中を無秩序に触りまわすだけでなく、口も執拗に求めてくる。

私は全く心の準備ができておらず、秦伟の切迫した様子に戸惑いを隠せなかった。抵抗しようとも思ったが、今の状況、そして今頃天成...