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510話

「今、私はあなたに頼りたいの」夢潔は甘い笑みを浮かべて言った。

私は一瞬言葉を失った。こんな少女が目の前でこんな言葉を口にしたとき、私に何が言えるというのか。以前何気なく話したことが、彼女にこれほどの感銘を与えるとは思わなかった。そして今、彼女が私を頼りにしようとするとき、私には逃げる言い訳など何もない。

「黙っているということは、承諾したということにするわね!」私がまだ躊躇っていると、夢潔は先に言った。そして手を伸ばして「抱き上げてくれる?もう一度外の世界を見たいの」と言う。苦笑いしながら夢潔を抱き上げ、車椅子に乗せて窓際へ押した。

「恋人同士って何をするの?以前見かけた時、手をつなぐ...