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450話

「桃二おじさん」

私が遠くから挨拶をする。

「天成か、いつ帰ってきたんだ?」桃二おじさんも私を見つけた。

「昨日の午後です。何をしてるんですか」私は返した。

「まあ、いつものことさ。田んぼの水路を掘って、来年の田植えに備えてるんだ」桃二おじさんは簡潔に答えた。

「それは何ですか?」おじさんの手に農具の他に竹籠があるのを見て、私は思わず興味を示した。

「はっはっ、水路を掘りながら、ついでに田んぼを少し歩いてみたんだ。収穫は悪くないぞ」桃二おじさんは言いながら竹籠を開け、中からウナギを数匹取り出し「ちょうど余ってるから、持って帰って食べてみろ」と言った。

「いえ、いえ、おじさんが食べて...