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434話

会議の結果なのかどうかは分からないが、今日の企画部はどことなく重苦しい雰囲気で、誰もやる気がなさそうだった。私も仕事に身が入らず、定時まで引き延ばし、家に帰っても温かい食事を用意してくれる妻がもういないことを思うと、急にあの冷え切った家に戻りたくなくなった。

スマホを取り出してスクロールしたが、不思議と誰に連絡していいのか分からない。胸の中で怒りが渦巻いているのに、発散する場所がなく、イライラして強引にスマホの電源を切った。

目的もなく車を走らせ、街をさまよい続けた。やがて空が徐々に暗くなり、街灯が灯り始めると、路傍の焼き鳥屋が目に入り、なぜだかブレーキを踏んでいた。

屋台から立ち上る濃...