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382話

「すぐに音楽が変わり、今度も見知らぬ女性が腕の中に滑り込んできた。見知らぬ感触、見知らぬ香り。必死で探りを入れてみたが、誰なのか見当もつかない。前の経験で慣れたのか、それともこの程度の冒険など気にも留めないのか、彼女は一連の行為に少しの抵抗も示さなかった。

その後も何人かの知らない女性と踊った。その中の一人、獰猛な女性は、手が悪さをしようとした瞬間に強く掴まれた。その力は男にも劣らない。警告の意味は明白で、もし余計な真似を続けるなら、背負い投げにでもするぞと言わんばかり。こんな激しい抵抗に遭っては、無謀な行動はとれなかった。

すべての女性を見渡した中で、思い浮かぶのは秦雪だけだった。まさか...