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373話

「もう昔のような遠慮はない。私はグラスを手に取り、真っ直ぐに高玥の方へ歩いていった。背後から突然声をかけられて彼女は少し驚いたが、私だと分かると、顔に少し困ったような笑みを浮かべた。

その一つの微笑みだけで、周りの人々は目を疑った。まるで雪解け後に色とりどりの野の花が咲き誇るように、人を魅了すると同時に驚嘆させる。高玥に声をかけて冷たくあしらわれた経験のある人たちは、特に私を怪物でも見るような目で見ていた。

心の底にあった劣等感は一瞬で消え去り、代わりに自信が満ち溢れた。この感覚は最高だ。だから多くの社長が美人秘書を好むのだろう。毎日見ているだけで気分が良くなり、外出時に美女を連れていれば...