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266話

聞いた後は腹立たしく、どこにも理を訴える場がない感じだった。

だが、簡単に妥協するつもりはないし、妻を差し出してまで肖陽の機嫌を取るつもりもない。日々はこのままただ過ぎていき、事件がないのも気楽なものだ。久しく触れていなかったゲームを引っ張り出してきて、毎日出勤しては大貧民をやったり、将棋を指したり。いつか義父と対局できる日が来ることを願いながら。

ゲームで一人の女性と知り合った。将棋の達人で、毎回ボロボロに打ち負かされ、全く太刀打ちできない。友達登録もしたし、時間があれば少し話したりもするが、彼女はどうも警戒心が強いようで、自分が誰なのか、どんな状況にいるのかを一切明かさない。会話の内容は...