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210話

「毎回行くたびに、報告書を出しても重視されず、人事部に任せっきり。長い間、板挟みになって、一昨年田舎へ出張した時なんか、飯さえ食えずに空腹のまま戻ってきたのよ」

「そんなこともあるのか?」少し笑い出しそうになった。私の頭の中では、こういう役職は巡視する欽差大臣みたいなもので、各地の名士や役人が太鼓を叩いて迎え、ご馳走でもてなすものだと思っていた。

「そんなわけないでしょ」梁玉珍は真剣な表情で断言した。その後、彼女は三十分ほど不満を吐き出し続けた。最後には配属された住宅の不満から、会議や宴会では常に後ろの席に座らされるため、付いていくのも気が引けるといった愚痴まで、すべてを吐き出した。

私...