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1785話

書類を渡す時、

心の中で名残惜しさと悔しさと苦しさが込み上げた。これほど長い間育んできた私たちの絆が、一枚の紙切れで断ち切られるなんて。この紙を渡せば、彼女はもう私の誰でもなくなる。もう正々堂々と彼女を抱きしめることも、キスすることもできなくなる。

だが今となっては、名残惜しさに意味はない。義弟の前であまりにも弱い姿を見せたくなくて、必死に感情を押し殺した。

離婚協議書を受け取って、ようやく義弟は満足げな表情を浮かべた。この一枚の紙が隔てたのは、私と妻の婚姻関係や愛情だけではなく、もともと脆かった両家の繋がりまでも断ち切ったのだろう。これからは他人同士だ。彼も私に対して特に言葉もなく、軽く頷...