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1769話

「最後の思い出だけが残された。

だが、私はこれで終わりにしたくない、したくなかった、そしてこのままで終わるなんて納得できない。彼女を背負って一生を歩き続けたい、髪が白くなるまで、老いる日まで、もう歩けなくなるまで歩き続け、そしてそのまま静かに共に死んでいきたいと願った。

しかし現実は常に残酷で、何の前触れも与えず、後悔する機会さえも与えてくれない。道を何時間歩いたか忘れてしまったが、どれほど心が拒んでも、最終的には妻の家の前に戻ってきてしまった。

彼女を背負ってこんなに長い道のりを歩いてきて、正直疲れていた。彼女を下ろしたいという気持ちもあったが、離したくない、下ろしたくないという思いの方...