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1765話

緊張すると全身が固まって、顔を赤らめてしまう私を見て、彼女はよく「全然男らしくないわね」と冷やかしてきた。それが彼女の喜びの源泉であり、飽きることのない遊びだったようだ。

それは今まさに失おうとしているからなのか、それとも単にあの日々が人生で最も輝いていた時間だったからなのか。今思い返しても、やはり甘美で、幸福感が胸いっぱいに広がる。

「感じる?」妻の声が突然耳に届いた。

「何を?」我に返って、私は訝しげに尋ねた。

妻は淡く微笑みながら、胸のあたりを指さした。

私は理解し、小さく頷いた。

彼女は微笑んで、前方を指差しながら「ここ、覚えてる?」と尋ねた。

顔を上げて見ると、私はハッ...