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1748話

電話を切って部屋に入ると、陸雲がお酒を飲みながら何かを考え込んでいるようだった。

「すみません、家のことで少し…」私は申し訳なさそうに席に着いた。

「構わないよ、急用があるなら先に片付けてきたらいい」陸雲は気前よく言った。

「大丈夫です、まずはこの件について話しましょう」私はそうしたいと思っていたが、妻のことよりも、承夢のことの方が私をはるかに焦らせていた。

陸雲はグラスを持ち上げ、一口飲んでから溜息をついた。「はぁ、これは本当に厄介なことになったね。君の話によると、君とその亡くなった社主との間には協定があったけど、今はもうその協定は取り上げられてしまった」

「難しいのは分かっています。だ...