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1742話

「言わせてもらうが、お前がいなければ、永興も承夢も今の姿はなかっただろう」

「そんなことを覚えているとはね」私はやや嘲るように返した。

「でも友情は友情、ある事柄は友情だけでは代えられないの。承夢を部外者に任せるわけにはいかないわ。お互いを傷つけるようなことはしないでほしい。そうしないと、あなたはもっと多くのものを失うことになるかもしれないから」羅姉さんもきっぱりと言った。

「それは警告かい?」私は振り返って羅姉さんを見つめて尋ねた。

「そんな風に考えないで。ただの姉御からの善意の忠告よ」羅姉さんは優しげに微笑みながら言った。

「ご親切な忠告、どうもありがとう」私は無理に笑顔を作って頷くと、振...