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172話

銭昊は目を見開き、顔中が「?」マークで埋め尽くされていた。

「この前お前らを尾行して、とっくに覚えていたんだ」

廖雲松が言った。

百密一疏とはこのことか。昨日、廖雲松が既に李秋月に会っていたこと、さらには銭昊にも会っていたことを忘れていた。

廖雲松は最後の一服を吸い終え、吸い殻を捨てながら言った。「昨夜、俺たちも帰ってから怖かったんだ。何かヤバい連中に関わってしまったんじゃないかって。だから尾行されてるのに気づいても、電話なんてしなかった。お前らが俺を見つけなければ、もう連絡するつもりもなかったし、残りの金だって求めるつもりはなかった」

「他に言ってないことはあるのか?」周倉が怒鳴った...