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1717話

「いい加減にごまかさないで、ちゃんと言って、あなたは私の新郎よ」豆児は不満げに私の袖を引っ張った。

「あなたは私の新婦です」私は真面目な顔で相槌を打った。

それでようやく彼女は嬉しそうに笑い、すぐに「新郎」の私を置き去りにして、店員のほうへ駆け寄り「あの衣装、さっき選んだあのセットを試着させて」と言った。

男というのは単純なもので、合わせたスーツに着替え、髪を軽く整えるだけだ。女性はそうはいかない。ウェディングドレスだけでも四着も試して、やっと肩に白い花が付いたベアトップのロングドレスに決めた。

メイクの時、私は携帯の中から妻の写真を探し出し、メイクさんに見せた。できるだけ妻に似せてほしい...