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1699話

「蜘蛛に、ムカデに、サソリまでが、私の周りをひっきりなしに這いまわるの。疲れて、怖くて、でも勇気を振り絞って前に進まなきゃいけなかった。だって、あなたがきっと前で待っていると思ったから。でもその後、毒蛇に噛まれて、瀕死の状態になって、あのとき本当に怖かった、もうあなたに会えないんじゃないかって……」

彼女は思い出しながら語り、表情は最初の諦めから、苦痛へ、恐怖へ、そして最終的には恐慌へと変わっていった。

「もういい」私は彼女の言葉を遮り、恐怖で寄せられた眉間を優しく撫でながら、軽く笑って安心させるように言った。「夢は逆さまなものだよ。きっと何も起こらない。僕はそんなに遠くへは行かないし、ず...