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1681話

「自分の力で風を上げようとしたら、もう30分以上も格闘してるんだ。」

言い終わる頃には、周倉の声に少し諦めが混じっていた。

振り向くと、その子供は恐らく7、8歳ほどで、車椅子に座ったまま糸の端を握っている。沐心如は凧を持ち上げ、子供は車椅子を滑らせて走ろうとするが、速度が遅すぎて風の力も足りず、凧はまだ飛び上がる前に地面に落ちてしまう。

何度も失敗を繰り返し、小さな子供は何度も落胆するが、沐心如は飽きることなく拾い集め、笑顔で子供に何かを言い聞かせている。おそらく励ましの言葉なのだろう。

だが、時には奇跡は努力だけでは実現しない。見かねたのか、それとも何か良い方法を思いついたのか、妻は笑いなが...