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1654話

見慣れた大きな屋敷の前に車を止めると、すでに使用人が門で待っていた。その後について屋敷に入ったが、意外にも大広間ではなく、あちこち曲がりくねった道を通って、かつての夢潔の小さな館に案内された。

入口に着くと、使用人は「羅姉さまがお待ちです」と言い残し、立ち去った。中庭に足を踏み入れると、庭いっぱいのバラはいまだに鮮やかに咲き誇り、まるで何も変わっていないかのようだった。それを見て、胸が少し詰まる思いがしたが、同時に疑問も湧いた。以前なら用事があれば大広間で会っていたのに、今日はなぜここに呼ばれたのだろう。

館の中に入ると、すべてが変わっていなかった。チェス盤、トロフィーなど、すべてが以前と...