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1593話

周囲を見回すと、まるで古稀を過ぎた老人を見るような気持ちになった。畏敬の念と共に、感慨と哀感が胸に迫る。

目の前の根彫りの茶卓も同じだ。深みのある色合い、はっきりと刻まれた年輪。どんな木の根から作られたのかは分からないが、直径が二メートルを超える姿だけで、その希少さは一目瞭然だった。

茶卓はすでに年季が入っている。頻繁に拭き掃除されているとはいえ、木質に刻まれた歳月の痕跡は拭い去ることができない。

すぐに、苗雪晴がお茶道具を持ってやってきた。

青花の杯と急須。彼女はお茶の作法に精通しているようで、手慣れた様子で杯を置き、急須を温め、テーブルの下から茶葉を取り出しながら笑みを浮かべて言っ...