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1587話

数秒間聞いていると、音が近づくにつれて心臓が跳ね上がり、信じられない思いで路肩の草むらを見つめた。

反応する間もなく、一台の車が草むらから飛び出してきた。草むらは路肩からまだ半メートルほど離れていたが、車は溝を軽々と飛び越え、「ドン」という大きな音を立てた。

その車は私の車の前部に激突し、フロントガラスは瞬時に粉々になった。私は反射的に手で頭を守ったが、車は道路の中央へと滑り、安全ベルトをしていなければ車外に投げ出されていただろう。

それでも激しい衝撃と引っ張られる感覚で、自分の体が自分のものではないような感覚に襲われた。

数メートル滑った後、ようやく安定したが、手に持っていたライターはどこか...