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1542話

「そんなことはいいから、早く開けて見て」

私は話題を変えて言った。

妻も箱の中身が気になっていたようで、軽く鼻を鳴らし、私を一瞥してからゆっくりと箱を開けた。

中のものを見た瞬間、彼女は目を見開き、小さな口を手で覆ったまま、その場に立ち尽くした。

彼女の反応ですでに全てが語られていたが、それでも直接聞きたくて、期待を込めて「気に入った?」と尋ねた。

妻は顔を上げて私を見つめ、その瞳には複雑な感情が宿っていた。喜び、感謝、そして光る涙。

「最近どうしたんだ?よく泣くようになって」

私は少し困ったように、感慨深げに尋ねた。

「嬉しいの、今回は嬉しくて」

妻は目尻を拭いながら、涙声で答えた。

「まあ...