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151話

私は頷きながら、あの男が間抜けなのではないかと疑い始めた。彼に続いてさらに二百メートルほどゆっくり歩いていくと、彼は突然足を止め、道路の向こう側にある屋台を見つめた。まさか彼が夜食でも食べようとしているのではないかと疑っていると、彼はすぐさま行動で答えを示した。

前を歩いていた男は立ち止まることなく、道路を渡り、真っ直ぐ向かいの屋台へと向かった。私は迷った。店の中まで追いかけるべきか。中に入れば距離が近すぎて気づかれるか、あるいは正体がバレてこれまでの努力が水の泡になってしまう。かといって追わなければ、店に裏口があるかもしれず、そこからこっそり逃げられてしまうかもしれない。

「どうする?」...