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1506話

広柱の真剣な様子を見たのか、それとも彼の構えを見たのか、今度は金煥が軽蔑したように笑い出した。

二人がまさに手合わせをしようとしたその時、私のポケットから携帯の着信音が鳴り響いた。不思議に思いながらも電話を取り出したが、視線は一瞬も場から離さなかった。

その間に、二人はすでに接触していた。広柱が先制攻撃に出た。私は拳法のことなど全く分からないから、彼が使ったのがどんな技なのか見当もつかない。

見れば彼は半身を屈め、左手で胸を守りながら、右手で拳を握り締め、大振りの動きで金煥のこめかみに向かって猛烈に叩きつけようとしていた。

この広柱が金煥に向かって挑発できるのも、それなりの自信があって...