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1494話

多分涙腺を直撃したのだろう、黒傑は鼻から血を流し続け、目からは涙が溢れていた。鼻血と涙でぐちゃぐちゃになった彼の姿を見て、私は内心で「ざまあみろ」と思い、勝ち誇った気分になった。

数歩で玄関まで駆け寄り、ドアを開けて出ようとしたが、喜ぶのが早すぎた。ドアを開く前に、背中をがっしりと掴まれてしまった。

事態が不利と見て追いかけてきた白杵だとわかり、振り返って股間を狙って蹴りを入れようとした瞬間、彼が手に電気棒を持ち、私の胸に向かって振り下ろしてくるのが見えた。

跳ねる電光を見て、あれに触れれば完全に抵抗する力を失うとわかった。生死を分ける潜在能力が爆発したのか、生存本能なのか、私は咄嗟に私...