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1251話

「月を見ない間に、少し黒くなったね。でも元気そうで何より」と声をかける。正月だし、会えば互いに挨拶を交わすのが礼儀だ。二人とも会社の古参で、お年玉はもちろん用意してあったし、特別に個人的な贈り物も準備していた。

ところが、その場にいた羅秀がそれを見て、自分も欲しいと飛び出してきた。少し気が滅入る。計算すれば会社の半分のオーナーなのに、私のような雇われの身に贈り物を用意してくれるどころか、逆に私にねだるなんて。しかし、大勢の前で断るわけにもいかず、幸い予備に二つ多めに用意していたので間に合った。贈り物を受け取った羅秀は満足して、私たちを置いて従業員たちの所へ挨拶に行ってしまった。

勤務時間前...