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1128話

惑い。全身唯一の装飾は、白金のネックレスと長めのチェーンバッグだけ。遠目には、仕事ができる女性の風格と、初めて会った時の美しさを兼ね備えていた。

念入りに身だしなみを整えたことが見て取れ、張婷の傍を通り過ぎる男たちは思わず二度見してしまうほどだ。だが、そんな男たちの視線に対して、張婷はまるで気づいていないかのように、一切反応を示さなかった。

「来てどのくらい?」張婷がこんなにきちんとした格好で来るとは思わなかった。私は駆け寄りながら尋ねた。

「今着いたところ」張婷も遠くから私を見つけ、唇を引き締めて微笑んだ。それが挨拶のようなものだった。

「行こう、中で待ってるから」私は声をかけた。

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