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1099話

私はバーカウンターから少し離れた、角に近い場所に座っていた。時折バーの中央を見やると、数人に囲まれて談笑し、顔を輝かせている若い男性の姿が目に入る。彼こそが方涛だ。三日間こっそり観察してきたが、毎日仕事帰りに同僚や友人を誘い、ここで何杯か飲むのが習慣のようだ。

あの花が咲いたような笑顔を見ると、何か良いことでもあったのだろう。どんなことかは私にはお見通しだ。毎回方涛が支払っているところを見ると、相手はかなり太っ腹なようで、この臨時収入はかなりの額に違いない。

時計を確認すると、もう10時近い。30分以上経っているのに、李秋月というあの女はまだ来ていない。少し焦りを感じる。数日間尾行して、そ...