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1044話

身をひるがえす度に長い髪が舞い、回転するたび細い腰がくねり、スカートが浮かび上がる。その姿は美しく、見ている者の心を和ませる。まるで自分が帝王の宮殿で日々酒を飲み、舞を愛で、楽しみに浸る生活を送っているかのような感覚に包まれた。

美人の舞は優美で、曲調は軽やかで、風情がある。心がゆっくりと静まり、俗な思いも自然と消えていく。酒杯を手に、軽く一口含む。曲の中にあった「千江有水千江月、万里無雲万里天」という偈語を思い出す。この情景にこそ相応しい。このような言葉だけが、この曲と舞に似合うのだ。

この仏教の偈語をずっと好んでいた。何と広大な境地だろう。水は水、月は月。月の光が照らすことで、水に月が...