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1037話

唐薇は常に日和見主義者だった。理があると思う方の意見に賛同する、まさに一般市民らしい振る舞いだ。

妻はゲームに慣れていないようで、議論にもあまり参加せず、投票の際も発言が少ない。だが、そんな目立たない彼女こそが最も疑われにくい存在だった。

私は驚きの目で隣の妻を見つめた。まるで闇に潜む毒蛇のような美女を見るような気分だった。妻は当然私の視線に気づき、表情がどこか不自然になり、小さな手を強く握りしめ、弱々しく視線を逸らした。

おそらく私への愛情が強すぎるか、あるいは単にゲームに不慣れなのか、妻は私の前では何も隠せない。数年連れ添った今、こういった心虚な仕草は私の目を逃れられない。妻が隠れた殺...