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1026話

彼女は周囲の人々の視線など意に介さず、私の腕を取り、

あるときは嬉しそうにこの店へ引っ張り込み、またあるときは楽しげにあっちの店へ連れ出す。

少し疲れてはいたが、彼女の楽しそうな様子を見ていると、自然と私の気持ちも明るくなってきた。店に入ると、

店主までもが思わず私たちをちらちらと見て、男同士なら分かる目配せをしながら、私が幸運だと言う。もちろんその意味は分かっている。

だが、人から羨ましがられる言葉を聞くと、やはり誇らしい気持ちになる。こんな女性を毎日抱きしめられるなんて、なんという幸せだろうか。

今日の彼女は妙に上機嫌で、丸一日午前中を買い物に費やし、歩き疲れて空腹を感じた時、路边の屋台...