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973話

吴二虎は傍らに座りながら、心臓が飛び出しそうな思いだった。これはまさに命知らずとしか言いようがない。彼も張莉の気持ちは理解できた。人を救いたい一心で、信号なんて気にしてられないのだ！

こうして本来なら三時間ほどかかる道のりを、張莉はわずか二時間半で省都に到着させた。張莉は省都に詳しく、つい先日も張玲と一緒に第一附属病院に来たばかりだったので、スムーズに病院にたどり着いた。

張書記夫妻は焦りながら二人の到着を待っていた。「莉莉、二虎、やっと来てくれたのね。早く採血に行きなさい！」

張莉と吴二虎は何も言う暇もなく、医師の指示に従って採血室へと向かった。吴二虎も袖をまくり上げ採血に応じた。「先...