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670話

それから、呉二虎は木蘭から箱も降ろし、木蘭を数本の茂みの中に隠した。「母さん、手を貸して、こっちだ!雨宿りできる場所があるんだ」

そして、二虎は美芝の手を引いて茂みの中へと潜り込んだ。葉を払いのけると、洞穴はかつてのままで、中には相変わらず乾いた草の山があった。二虎は蘭花と一緒に寒山村に医者として戻ってからは、蘭花と数回来ただけで、ここで人と密会したことはなかった。「あら?二虎、本当に小さな洞穴があるのね?いつからここに洞穴があるって知ってたの?」美芝は不思議そうに笑いながら尋ねた。

「ははは、母さん、子供の頃からこの洞穴のことは知ってたんだ。でも誰にも言ったことはないよ。さあ、入って!母...