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632話

「うん、お母さんもうちの梅子なら大丈夫だって信じてるよ」と、美芝は梅子の賢さについて話すとき、いつも特別な誇らしさを見せた。

道中は特に会話もなく、あっという間に車は八百キロ近くも進み、日が落ちて江西省に入った頃、瑞金を通過する際に車は県道に入った。

誰かが運転手にどこへ行くのかと尋ねると、運転手は安全のため、この近くの町で一晩泊まり、翌朝また出発すると言った。みんなもそれはもっともだと思い、特に文句を言う者はいなかった。

しかし、車が個人経営の宿に入ってからの出来事には、皆が納得できなかった。宿泊費は一人百元、しかも二人一部屋だった。美芝はそれを聞いて即座に嫌がった。「高すぎるわ。それ...