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611話

「ああ、どうぞお入りください!吴先生」と張書記は応じた。

吴二虎はドアを押し開けると、張書記が険しい顔をしているのが見えた。すかさず愛想笑いを浮かべて、「張書記、どうしたんですか?誰かに怒っていらっしゃったんですか?」と、わざと知らないふりをして尋ねた。

「いや、何でもないよ、些細なことだ。吴先生、薬は手に入れてきたかね?」張書記はすぐに表情を変え、取り繕うような笑みを浮かべた。

「はい、持ってきましたよ。張書記、すぐに隣の部屋で薬を飲んで、あそこの小さな頭に塗ってください。一、二週間もすれば良くなりますから、ご心配なく」と吴二虎は笑いながら言い、薬を張書記に手渡した。

「ああ、分かっ...