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1603話

彼のバイクが村の入口に着いたとき、美芝がエプロン姿で道端で待っているのが見えた。呉二虎は急ブレーキをかけた。「お袮、どうしてここにいるんですか?」そう言いながら、彼はバイクを停め、ヘルメットを脱いで降りた。

「二虎、お袮はここで待っていたのよ!もう会いたくて会いたくて仕方なかったの。電話で出発したって聞いたら、家で座っていられなくなってね。ほら、お袮に見せてごらん」美芝は二虎を上から下まで見つめ、目には涙が溢れていた。

二虎は一気に美芝を抱きしめた。「お袮、僕も会いたかった」彼は美芝の涙を見るたびに泣いてしまう。美芝と過ごす一瞬一瞬が大切で、この母の愛に無上の幸せを感じていた。

「二虎、...