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94話

「何度も回り道をして気づかされたのは、私がこの芸能界で十七、八年もがき続け、人生も三十七歳目に入り、若くして名を成し、二冠の女優賞、様々な肩書きや栄誉を手にしてきたということ。ファンもメディアも私に殺到し、愛する人は常に私の後ろで支え続けてくれた。私の人生はずっとこんな輝きを放ち続けると思っていた。

残念ながら、花に百日の盛りなく、人に千日の好なし。栄光の後には寂しさが待っている。スターにも落ち目の時がある。江山代わりて人材出で、私たちという先の波はいずれ、より力強い後の波に打ち寄せられて砂浜に取り残されるのだ。

どんなに努力しても、もがいても、かつての大スクリーンの主役には戻れず、徐々に...