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148話

「そうこうしているうちに、元は『犬猿の仲』だった二人のオメガがすっかり打ち解けて、段栄安が全く入り込めない妊娠や赤ちゃんについての話題で盛り上がっていた。

こんな展開に、段栄安はますます呆然としていた。

「私はずっと妊娠って神聖で偉大だけど、すごく残酷なことだと思ってたの。自分にはそんな崇高な精神がなくて、自分にとって割に合わないことをする気なんてなかった。だから敬遠していたし、赤ちゃんを産むなんて考えもしなかったわ」

「残酷?」

神聖とか偉大とかはまだ分かる。社会は彼女たちに多くの子どもを産んでほしいから、出産を美化する言葉で飾り立て、崇高な地位に押し上げて、喜んで犠牲を払わせようとす...