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32話

鳳千尋は丹薬の調合に関しては確かに才能があり、数ヶ月後には手元にある数種の丹方を炉火純青の域まで極めていた。

だが、さらなる高みを目指すとなると、ほぼ不可能だった。

彼女の手元にはそれだけの丹方しかなく、他の種類を調合したいなら金を払って購入するしかない。

しかも、丹方というものは非常に高価なのだ。

そう、彼女が持っているような一般的なものを除けば。

他の丹方については、鳳千尋がこれまでの成果物すべてを薬閣と交換に出しても、たった二つの丹方しか手に入れられなかった。

さらに貴重なものとなると、彼女の格が足りないか、あるいは長い時間をかけて他人のために働かなければならなかった。

働くなどというこ...